環境保全型農業

環境保全型農業とは、「農業の持つ物質循環を生かし、生産性との調和に留意しつつ、土づくり等を通じて、化学肥料、農薬の使用等による環境負荷の軽減に配慮した持続的な農業」です(農林水産省ホームページより)
地域の慣行農法に比べ、農薬や化学肥料の使用量を減らしたり、堆肥による土づくりを行ったり、土壌の生産力を高めながらも環境への負荷を減らす取り組みを行っている農業のこと。


※図を拡大



※1 エコファーマー:農薬、化学肥料を当該地域の使用量から3割削減を義務付けている。生産者や作物によっては、農薬散布0回、化学肥料も使用しないで栽培されていることもある。このような場合、種に農薬や化学肥料が付いていないものを使用していれば、「節減対象農薬:栽培期間中不使用」、「化学肥料(窒素成分):栽培期間中不使用」と表示することができる。

※2 特別栽培農産物:農薬、化学肥料を当該地域の使用量から5割削減を義務付けている。生産者や作物によっては、農薬散布0回、化学肥料も使用しないで栽培されていることもある。このような場合、種に農薬や化学肥料が付いていないものを使用していれば、「節減対象農薬:栽培期間中不使用」、「化学肥料(窒素成分):栽培期間中不使用」と表示することができる。

※3 MOA特別栽培農産物:農薬、化学肥料を当該地域の使用量から5割以上削減を義務付けている(例えば、沖縄県におけるトマトのハウス栽培の慣行基準は30回になるため、エコファーマーでは3割減の21回、特別栽培では半分の15回、MOA特別栽培では半分より1回少ない14回となる)。生産者や作物によっては、農薬散布0回で栽培されていることもある。このような場合、種に農薬や化学肥料が付いていないものを使用していれば、「節減対象農薬:栽培期間中不使用」と表示することができる。
MOAは土の偉力を発揮させることを基本としているため、特別栽培であってもMOA自然農法ガイドラインに基づいた土づくりを行っています。そのため土壌に対する農薬や殺線虫剤、除草剤、化学肥料の使用を禁止しています。

※4 有機農産物とMOA自然農法の栽培内容の原則については、ほとんど違いはありません。どちらも自然生態系を守るため、科学的に合成された農薬や肥料の使用を避けることを基本とし、環境への負荷をできる限り低減した栽培方法を行うことを定めています(有機農産物の日本農林規格参照)。有機農産物は法律に基づき栽培されているため、資材についても専門機関を設けています。自然農法と有機農産物の違いについては、日本オーガニック推進協議会のホームページもご参照ください。資材については、使用できる資材一覧を参照して下さい。

 上記は、栽培基準における農薬や化学肥料の使用制限を表したものであって、必ずこれだけのものを使用しているというものではありません。どの栽培でも生産者のレベルによって使用している資材や使用回数は異なります。
 エコファーマーや特別栽培農産物であっても、栽培期間中に農薬や化学肥料を全く使わずに生産された農産物もあれば、農薬取締法に基づきながら使用基準の回数で生産された農産物もあります。
 MOA自然農法でも、肥料や堆肥を全く使わず土の力だけで栽培に取り組んでいる生産者もいれば、まだ資材に頼って栽培を行っている生産者もいます。しかし、それぞれがレベルアップを図りながら、人と環境にやさしい農業を目指し取り組んでいます。
 健康な人まちづくりを進めるためにも、生産者は自らが取り組んでいることを消費者に積極的に伝えて、消費者の購買意欲を高め、消費者はこれらのマークのついた農産物を積極的に購入して生産者を応援し、環境保全型農業に取り組む生産者を増やしていくことが大切だと考えています。

※エコファーマー、特別栽培における対象農産物及び農薬並びに化学肥料の使用基準(県慣行レベル 平成26年11月)(PDF:85KB)
 MOA特別栽培は農薬のみ参照(5割未満のため、使用回数は1回分減らす)。


沖縄県の特別栽培農産物認証制度

沖縄県のエコファーマー認証制度

沖縄県では、平成26年度に有機JAS認定を受けている農家が50件、特別栽培農産物の認定は38件、エコファーマーが510件となっています。

沖縄県の平成22年度の総農家数(販売農家+自給的農家)は21,547戸、このうち販売農家数は15,123戸となっています。
15,123戸の農家のうち、環境保全型農業に取り組んでいる農家数は7,201(稲作49、雑穀・いも類・豆類43、工芸農作物2,957、露地野菜636、施設野菜374、果樹類626、花き・花木607、その他の作物11、酪農5、肉用牛223、養豚9、養鶏3、その他の畜産6)となっています。

※工芸農作物とは、サトウキビやこんにゃく芋、葉タバコ、オリーブ、ホップなど加工や製造工程を経て製品になる作物のこと。



















戻る












MOA自然農法と有機(JAS)農産物における使用できる資材の比較

使用できる資材一覧

@肥料及び土壌改良資材(○は使用可、×は使用不可)

 項目 有機JAS MOA自然農法 MOA自然農法
プラチナ
備考
1 植物及びその残さ由来の資材 落葉、野菜くず、米ぬか、大豆かす、油粕、緑肥
2 発酵、乾燥又は焼成した排せつ物由来の資材 × 発酵鶏糞、牛糞堆肥、豚糞堆肥
3 食品工場及び繊維工場からの畜産水産物由来の資材 × 魚かす
4 と畜場又は水産加工場からの動物生産品由来の資材 × 蒸製骨粉
  発酵した食品廃棄物由来の資材   野菜、おから
×  肉類、魚類
6 バーク堆肥
7 メタン発酵消化液 ×  
8 グアノ ×  
9 乾燥藻及びその粉末 ×  
10 草木灰  
11 炭酸カルシウム ×  
12 塩化加里 ×  
13 硫酸加里 ×  
14 硫酸加里苦土 ×  
15 天然りん鉱石 ×  
16 硫酸苦土 ×  
17 水酸化苦土 ×  
18 石こう(硫酸カルシウム) ×  
19 硫黄 ×  
20 生石灰(苦土石灰を含む) ×  
21 消石灰 ×  
22 微量要素 ×  
23 岩石を粉砕したもの ○(客土)  
24 木炭  
25 泥炭  
26 ベントナイト ×  
27 パーライト ×  
28 ゼオライト ×  
29 バーミキュライト ×  
30 けいそう土焼成粒 ×  
31 塩基性スラグ ×  
32 鉱さいけい酸質肥料 × ケイカル
33 よう成りん肥 × ヨウリン
34 塩化ナトリウム × にがり
35 リン酸アルミニウムカルシウム ×  
36 塩化カルシウム × 塩カル
37 食酢  
38 乳酸 ヨーグルト
39 製糖産業の副産物 ○(糖蜜のみ) 糖蜜
40 肥料の造粒材及び固結防止剤 ×  
41 その他の肥料及び土壌改良資材 ×  



A農薬

項目 有機JAS MOA自然農法 MOA自然農法
プラチナ
備考
1 除虫菊乳剤及びピレトリン乳剤 × ガーデントップ、除虫菊乳剤3
2 なたね油乳剤 ×
3 マシン油エアゾル ×
4 マシン油乳剤 × スプレーオイル、トモノールS、ハーベストオイル
5 デンプン水和剤 × 粘着くん
6 脂肪酸グリセリド乳剤 × サンクリスタル乳剤
7 メタアルデヒド乳剤 × ジャンボタニシ退治粉剤
8 硫黄くん煙剤 × サルファグレン
9 硫黄粉剤 × 硫黄粉剤50、硫黄粉剤80
10 硫黄・銅水和剤 × 園芸ボルドー
11 水和硫黄剤 × 硫黄フロアブル
12 石灰硫黄合剤 × 石灰硫黄合剤
13 シイタケ菌糸体抽出物液剤 × レンテミン
14 炭酸水素ナトリウム水溶剤及び重曹 × ハーモメイト
15 炭酸水素ナトリウム・銅水和剤 × ジーファイン
16 銅水和剤 × Zボルドー、ICボルドー
17 銅粉剤 × 撒粉ボルドー
18 硫酸銅 × ボルドー調製用
19 生石灰 × ボルドー調製用
20 天敵等生物農薬 在来天敵のみ 天敵、BT剤、微生物農薬
21 性フェロモン剤 × コナガコン
22 クロレラ抽出物液剤 × クロレラ、スペースエイジ
23 混合生薬抽出物液剤 × アルムグリーン
24 ワックス水和剤 ×
25 展着剤 × アビオン、ペタンV
26 二酸化炭素くん蒸剤 × 炭酸ガス
27 ケイソウ土粉剤 × コクゾール
28 食酢
29 燐酸第二鉄粒剤 × ナメトール、スラゴ、ナメクジキラー
30 炭酸水素カリウム水溶剤 × カリグリーン
31 炭酸カルシウム水和剤 × クレノフ
32 ミルベメクチン乳剤 × コロマイト乳剤
33 ミルベメクチン水和剤 × コロマイト水和剤
34 スピノサド水和剤 × スピノエース顆粒水和剤
35 スピノサド粒剤 × スピノエース箱粒剤
36 還元澱粉糖化物液剤 × アメンコ、エコピタ液剤



Bその他

項目 有機JAS MOA自然農法   MOA自然農法
プラチナ
備考
1 ナス科、ウリ科の果菜類購入苗(用土にJAS禁止農薬不使用) × 連作等で接ぎ木苗が必要で入手が困難な場合
2 紙マルチ、再生マルチ ×

戻る


ページの先頭に戻る

http://www.moa-oki.or.jp/shizennouhou/jizokukanou.html


 copyright©2012-2016 MOA自然農法文化事業団沖縄支所 all rights reserved.